鳥居峠トレッキングコースは奈良井宿から藪原宿にいたる峠越えの道だ。
鎮神社の石灯籠を過ぎてから100メートルほど歩くと、舗装道路を外れて山肌を斜面にはりつくように登る小径がある。
杉並木の小径が始まる。杉の根元を踏むような幅の狭い杣道で、江戸期の木曾路を髣髴とさせるものだという。
道幅は狭くて、2人がようやくすれ違うことができるほどだ。「袖摺り合うも他生の縁」という諺にあるように、こういう杣道で互いにすれ違うのは、偶然だが、何やら不思議な縁があるように往時の人びとは感じたのかもしれない。
とはいえ、この小径は、もっと大きなカーヴを描いて登る舗装道路を短絡する近道で、ふたたび舗装道路に出ることになる。
この舗装道路は鳥居峠に向かう道ではない。山腹にある宿泊施設(ならい荘と民宿あおき)に行く道なのだ。
鳥居峠越えの道は、この舗装道路の脇にある大きな遊歩道案内板のところを右に折れて、石畳の道を登る小径である。石畳はすっかり角が取れた丸い石を敷き詰めてあるので、濡れていると滑りやすい。
雨の後とか、朝露がひどいときには、足元に要注意!
下りではなおさら気をつけること。身体を後傾にすると危ない。
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