◆谷間の田園地帯を歩く◆

この道に先には鹿島槍スキー場がある

  水神社を過ぎて南進する千国街道は、中綱集落南端の庚申塚・石仏群の脇を通って、鹿島槍スキー場からやって来る道路と合流し、両側から尾根が迫る狭い谷間に入っていきます。
  そのまま南に進むと、千国街道は国道148号に合流します。そこから1200メートルほど国道を歩くと、農具川が形成した扇状地に出ます。この扇状地のほぼ中央を農具川が木崎湖北岸に向かって流れ下っています。
  ここで、中綱湖から木崎湖までの農具川の渓谷の地形と地理を説明しておきます。

木崎湖歩北側の扇状地の西端からの風景

  青木湖南岸から中綱湖北岸までは、およそ200メートルほどしか離れていません。２つの湖面の標高差は６メートルほです。ところが、中綱湖南岸から木崎湖北岸までは約３キロメートルあり、これらの湖面の標高差は70メートルもあります。
  そのため、南流する農具川は谷間を削りながら土砂を運び、木崎湖北岸に長さ１キロメートルほどの細長い扇状地形をつくり出しました。谷間は木崎湖に向かって二等辺三角形をなしています。そこに豊かな水田地帯が広がっています。

木崎湖北西岸の風景：　湖畔に中心集落がある

  木崎湖の北東岸から北西岸までの一帯は海ノ口と呼ばれる地籍です。ＪＲ大糸線の海ノ口駅は北東湖畔にあります。主だった集落は湖の北東岸と北西岸とに２つあります。この２つのあいだにある北岸は、もともと湿原地帯で、いまは水田地帯となっています。
  塩の道も古くから東西に分岐していて、西岸の小径が本道で、東岸の道が脇街道だったようです。

海ノ口西側の中心集落

中綱方面（北）を振り返る