佐久甲州道沿い穂積天神の町家古民家が軒を連らねる家並み風景といえば、その中心にあるのは黒澤家、そして黒澤酒造ということになります。 ◆地場産業と街並み景観の保存活動◆ |
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醸造工場に隣接する本宅・長屋土蔵が「千曲川最上流の蔵元 酒の資料館」となっている |
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▲海鼠腰壁を施した粋な長屋土蔵が資料展示場所 ▲古民具ともいえる道具が並ぶ長屋門をくぐり抜ける ▲大正ロマンを印象づける小洒落た居住棟と端正な和風庭園 ▲長屋土蔵のなかに展示された昔の酒造りの作業風景 ▲連なる町家や土蔵と街道との間に前庭植栽が続く ▲黒澤家の広大な敷地に重厚な町家と土蔵が連なる ▲黒澤酒造の建物群(左側)の脇を往く旧街道 ▲喫茶コーナーの奥には「古民具工房 創」がある ▲街道側から見た「古民具工房 創」の建物 ▲土蔵に隣接した高麗門が格式を印象づける |
◆地場の有力企業と文化貢献◆ このサイトは、信州各地の歴史的景観や史跡を訪ねて――非営利的視座で――歴史・地理・文化を探索し紹介することを目的としています。とはいえ、この街の歴史的景観の保全や文化活動を探索するうえで、大きな役割を果たしている企業の存在を語らざるをえません。
◆多様な事業展開が意味するもの◆ さて、黒澤家は、製造販売業/観光業/農業におよぶ多様な事業を展開する複合企業体(コンツェルン)を経営しています。
他方で、観光向け地場情報・文化の発信事業として、酒の資料館/ショップギャラリー/ギャラリー喫茶などを手がけています。目立とうとしない姿勢が好感を得ているようです。 信州各地では、少子高齢化、それと連動した農業の担い手激減にともなって歴史的な街並み景観や文化の継続や維持が袋小路にはまり込んでいるところが目立ってきました。ところが、佐久穂穂積の黒澤酒造を中心とした試みは、一条の希望の光ともいえます。 |