◆浮島と石仏の近隣をめぐる散策 その1◆

浮島神社 この島の北端近くにある。たぶんこの位置が一番安全で、どれほど増水しても社殿が沈まない場所なのだろう。
毎年6月30日には、御作田神社の田植え祭りと連動して、ここで夏越の平穏を祈願して茅の輪くぐりの儀式がおこなわれる。
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浮島の渡る朱色の小下を流れるのは砥川の分流

◆浮島と浮島神社◆

  諏訪大社下社春宮の西脇辺りを散策してみましょう。
  春宮の境内西端は砥川の岸辺で、そこには南に向かって小径が続いています。ほんの20メートルも歩くと、浮島に渡る朱色の小さな橋。橋の下には、浮島にぶつかって砥川の本流から分かれた分流が流れています。分流に流れる水は少なく、豊富な水が勢いよく流れる本流とは対照的です。

  浮島は、砥川の浸食作用でつくられた中島ですが、土砂が堆積してできたというよりも、川が削り残した岩盤のように見えます。島の形は舟形で、北東から南北の方向に100メートルほどの長径があります。幅は最大で30メートルあるかないか。
  さて、小橋を渡って、浮島神社にお詣りしてみましょう。
  舟形をした浮島は神社の境内をなしています。この島に生えている木々が小さな鎮守の森をなしています。樹下には小さな鳥居。鳥居をくぐると、正面(南東)方向に神社の社殿があり、その左手にこれまた朱色の小橋が架けられています。この橋は、万治の石仏の参道に渡るためのもの。

  浮島神社は、春宮の神域に置かれた末社で、だから諏訪社系の神社です。そのことは、四囲に御柱が立てられていることからわかります。
  この社殿でも、諏訪大社と同じ周期で御柱祭りが催されて、そのたびに新しく御柱が立て換えられるのです。
  社殿の脇に立って砥川の上流方向を眺めると、谷間の斜面に山林が広がっています。砥川の水源は、標高1600mを超える和田峠に発していて、そこから春宮まで10キロメートルを超える距離を蛇行しながら下ってきています。
  社殿の裏手に回って浮島の北端に立つと、まるで砥川を遡る船の舳先に立っているような気分にもなります。
  春宮の神域として浮島もまた森閑としたたたずまいです。木々に囲まれ、こんな静謐にしばらく浸ってみるのもいいものです。
  それでは、種の小橋を渡って万治の石仏に詣でてみましょう。


分流は、こんなに小さくなる

砥川の本流。浮島の西側を流れ、浮島と石仏とを隔てている。

鳥居をくぐり、樹間から社殿を眺める

浮島から万治の石仏の参道に渡る小橋


浮島神社(左手)と砥川(中央): 河畔の樹林を透かして集落の住宅が見える。集落の彼方には深い渓谷が続く。

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