坂道を下り線路をくぐると、藪原の商店街に出る。商店街を抜けてふたたび線路をくぐると、藪原駅が見えてくる。
駅の手前の沢には、小さな水車が置かれている。沢の上流から引いてきた水で水車を回している。穏やかでのどかな風情が心にしみる。
奈良井宿から藪原宿までは、およそ6キロメートル。ほとんど山道なので、峠越えの所要時間は、かなりの早足で2時間余り。ゆっくり散策しながら歩くと、3時間はかかる。「きつい」といえるほどの難所は1箇所。
ただし、足を滑らせて転んだり、道を踏み外して沢に転落したりしないように、足元や姿勢に注意する必要がある。
私がこのトレッキングコース体験記のために歩いたときは、午前9時過ぎに奈良井駅前から歩き始めた。奈良井の街並みを楽しみながら鎮神社の横を通過し、そこから鳥居峠を越えて藪原駅まで到達したのが、正午過ぎ。
それから1時間余りのあいだに商店街に戻って昼食をとりゆっくり休憩し、藪原駅からJR中央本線の列車に乗って奈良井に戻った。費やした時間は約5時間。
「ゆったり待ち」に使う時間が惜しいという人には、列車時刻表を調べたうえで、奈良井駅から藪原まで列車で移動し、藪原側から鳥居峠を越えて奈良井に戻るコースをとることをお勧めする。JRの乗車時間はだいたい十分ほどなので、その移動時間を含めて(奈良井の街筋見学に30分かけても)3時間ちょっとで踏破できる。
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