独鈷山麓をめぐる遊歩道は、寺院や神社をめぐる道でもありますが、同時に山裾のため池をめぐる散策路でもあるのです。
舌喰池、塩野池、手洗池などがあります。
穏やかなため池の水面は、四季折おりに 周囲の山や樹林、草花を映して美しい光景を演出します。
山麓から見下ろす塩田の庄の眺めも雄大です。
山麓からの緩やかな斜面には果樹園や野菜畑が続き、そこから下った盆地の中央部には水田地帯が広がっています。
時間のゆとりのある人には、山麓の遊歩道をゆっくり歩いて寺院・神社めぐりすることを勧めたいものです。
山裾の舗装された道路のすぐ脇には、いたるところに樹間を縫うように通じている露地の(舗装のない)小径があります。
林のなかの小径で、長い年月、落葉が降り積もった道の柔らかな地面は足裏にやさしい。
◆山陰の細い径◆
遊歩で樹木や草花を愛でながら森林浴、さらにちょっとした渓流渡りも楽しめます。軽い山歩きという感じです。
春には山麓の道沿いの桜並木の花がみごとです。池の水面に映る花も美しい。
新緑のシーズンには鮮やかな黄緑があふれます。
また、塩田城の跡地近辺には近隣の人々によって育てられたアジサイ群落(「あじさい小道」と呼ばれる)があります。
晩秋の紅葉の時季にも、美しい風景 が楽しめます。初冬にはカラマツの葉が紅葉して、それは見事です。
そして何よりも、山裾の高台から見下ろす塩田平から上田方面に続く田園風景と山岳風景は、美しさと雄大さを兼ね備えています。
あじさい小道の近くには、中世の塩田城跡の石碑があります。石碑から山道を少し登ると、山の中腹まで城跡(砦)跡が棚田のように段状に続きます。
今では木立や草に覆われていて、ここにも「兵どもの夢が跡」があるということでしょうか。
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