信濃国分寺や上田城がある上田盆地の東端は、菅平高原から流れ下る神川がつくった大きな扇状地で、千曲川との合流地でもあるのです。
千曲川は、その扇状地の斜面を削り取りながら移動して、何段もの河岸段丘をつくってきました。
上田地方の人びとは、昔から、河岸段丘という地形を利用しながら城郭や寺院、そして集落を建設してきました。
現在の国分寺は下から3番目の段丘に位置しています。寺から北東に歩くと、このあたりで一番上の段丘に出会います。崖のような大きな段差です。
そのため、段丘を登る道は、崖を切通してつくられています。
◆雄大で美しい風景◆
切通しの舗装道路を登って段丘の上に出てみると、そこは一面の田園。緩やかな丘陵斜面にずっと水田が続いています。
坂道の中腹から西に目を向けると、国分寺の三重塔が眺められます。
山岳、高原、田園、古い寺院や史跡、閑静な住宅街、そして千曲川…。変化に富む、雄大で美しい風景が誘うのか、休日の朝には、ウォーキングする人びととよく出会います。
丘陵の北には菅平高原、北東には烏帽子岳と湯の丸高原が見えます。
この丘陵地帯は、はるかに南東に続いて、小諸、御代田、軽井沢高原にまで至ります。
そこで、軽井沢から広域農道を通れば、市街地ごとの渋滞に巻き込まれずに上田まで走ることができます。
そして、御代田にも、雄大な三重塔で知られる真楽寺があるので、東信地方の仏塔めぐりのコースとしてもおススメです。
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寺の裏手から見える上の段丘 樹林によって縁どられている
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