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長野県内の各地

  信濃には古い由来の三重塔(仏舎利殿)が数多く残されている。
  それらの塔は、優雅で力強い。

  和風の美と歴史を探訪するため、仏塔をめぐる旅に出てみた。
 
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上田 信濃国分寺

  上田盆地では陽射しがことのほか強い。塔の水煙を見上げると眩しいほどだ。
  日本で晴天率と日照時間が最も大きな土地だということもあるだろう。
  明るい空の下で若葉の緑が輝いている。木々は、三重塔と高さを競っているようだ。

国分寺三重塔

緑豊かな境内にそびえる三重塔

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塩田 前山寺

  上田盆地の塩田の庄は、古くから、信濃で最も豊かな地方だった。
  平安時代から寺院・伽藍が建立され、すぐれた学僧が集まってきたという。
  知識人と文化の集積地として「信濃の学海」と呼ばれた。今でも、由来の古い寺院や神社が数多く存在する。

前山寺三重塔

春、桜花に囲まれた三重塔

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別所 安楽寺

  塩田平の西端、別所は古くからの温泉町だ。
  湯の香漂うこの街にも、古代からの由来をもついくつも寺院がある。
  なかでも、安楽寺には、ほかでは見られない、美しい「八角三重塔」がある。
  寺の裏山の中腹にある三重塔は、欝蒼とした森に囲まれている。樹林の暗がりから塔を見上げると、塔の先端は眩しい光のなかに溶け込んでいる。

八角三重塔

水煙が空に溶け込む、国宝「八角三重塔」

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青木村 大法寺

  塩田平の北西に隣接する青木村。
  この村にある大法寺の三重塔は、塔の各階層の屋根の造りが大らかで、まるで鳳凰が羽を広げたような印象だ。
  この寺も全体として禅宗唐様風で、質実剛健と典雅さを兼ね備えている。
  四月末、うららかな春の陽射しを浴びて、ようやく花の季節が始まろうとしている。

裏山(北側)の梅林から望む三重塔

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御代田 真楽寺

  軽井沢から広域農道を西に走ると、御代田の真楽寺に行き着く。
  高原の野菜畑と森林に囲まれた、広大な境内・寺域の寺院で、大きな三重塔は有名だ。
  近隣の集落の人びとによって手厚く守られてきた景観と環境は美しい。

樹林に囲まれて典雅に聳える三重塔

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臼田 新海三社神社

  珍しく神社にある三重塔(仏舎利殿)。
  明治の神仏分離・廃仏毀釈の騒動で危うく壊される危険を乗り越えてきた。
  地元の人びとの賢明な努力によって、この美しい塔は守られた。
  佐久平の豊かさを象徴する建築物だ。

森を背負って、重厚感がある三重塔

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佐久市前山 貞祥寺

  佐久市前山の山裾にある貞祥寺は、広大な境内を有する。
  ここの三重塔は、やや小さめだが、屋根の造りは優雅で雄大。ことのほか美しい塔で、気宇の壮大さが漂う。
  広い境内には原生林のように苔むした樹林もあって、森林浴も楽しめる。

小ぶりだが均斉抜群の三重塔

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小川村 高山寺

  小川村を縦断する戸隠街道の脇にある高山寺。
  雄大壮麗な北アルプス連峰を背景にそそり立つ堂宇と三重塔。
  古い歴史をもつ山里の寺を訪問する。

雄大なアルプスを背に負う三重塔

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大町市 若一王子神社

  この神社では、明治期の神仏分離・廃仏棄釈運動による破壊を免れ、境内に観音堂と三重塔が保たれてきた。
  ヒノキやサワラの樹林に囲まれた境内・神域は、日本古来の神々と観音仏が仲良く寄り添う静謐な空間。

雄大なアルプスを背に負う三重塔

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とっておき情報

古代の信濃国分寺の復元

  • 上田市信濃国分寺資料館所蔵の復元模型です。
  • 天平時代にこれほど壮大な建築物群があった!

街歩き絵地図

  • 国分寺界隈の街歩きに役立つ絵地図です。
  • タウンウォッチングにも役立ちます。

小布施の寺院・神社めぐり絵地図

  • 小布施の古い由来の寺院や神社の場所をご案内。
  • 街歩きのガイドになります。

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 2018.05.20 rev