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長野県塩尻市奈良井
 
このページの目次
街中シーンあれこれ
植栽・花鉢も個性的
屋号・看板も個性的
ツバメも街並みの景観
 
タウンウォッチング  

  それぞれに独創的な看板を見て回るのも、タウンウォッチングの楽しのひとつです。
  この街並み景観のなかでは、手作り風がかえって粋と洗練を感じさせる場合が多いようです。私たちが、この街の外でしょっちゅう目にする、やたらに目立つ突出した派手さよりも、控え目な店舗設計・店舗表示の方が、心に訴える力はずっと強いのです。

店舗ごとに個性的なディスプレイ  ―控え目で抑制された表現こそ個性を輝かせる―
粋な暖簾のロゴマーク
古時計

ふる里の暖簾の脇の時計: レトロな木製枠を設置して、時計をはめ込んである。

杉玉
前庭に心惹かれる

通りに面して庭がある。植栽のあいだを通って店に入る。

  • 壁や軒下の飾りや表示も個性的。
  • 暖簾や幕に染め抜いたロゴマークが渋い(左上)。
  • 酒造会社の杉玉。新酒の仕込みのたびにかけ直すという。母屋の裏には高い煙突(右上・右)。
  • 妻面が通りに面した家屋には前庭がある(左)。
酒蔵の煙突

醸造工場の軒にも杉玉。杉玉も高い煙突も奈良井の名物。

筆書きの「花筏」
陽を受けた蔓細工
いい感じの照明

▲紙書きの標示も筆書風で簡潔。モノトーンの美

▲素朴な蔓細工は、自然採光でこそふさわしい

▲店内では電灯による照明を抑えて、自然光を生かしている

このあとに掲載した看板や屋号表示などのディスプレイをご覧ください。
こういう街のなかで、和の美というか抑えた表現がどれほど個性を輝かせ、人の心を惹きつけるか、じっくり考えてみましょう。

手づくり看板
看板に薫る歴史
植栽と看板
技巧的な灯籠
くぐり戸の喫茶店

上 くぐり戸と看板、植栽の組み合わせがいい味を出している。
左 景観に合わせてきっちり技巧的につくった屋号灯籠もいい。
右 樹皮葺きの屋号灯籠は渋い味の傑作。

樹皮葺きの灯籠屋根

■ツバメも街中の景観■


  春から夏に奈良井を訪れると、街中を自由に飛び回るツバメたちに出会う。
  ときには人の頭や肩をかすめ、ときには空高く舞い上がり、ときには地面を這うように飛び過ぎていく。
  ここでは、ツバメたちも街並み景観の一部なのだ。周りの深い森と豊かな水、そして人びとが一体となって木曾路の生態系をつくり上げている。
  ツバメは、豊かな自然のなかで、しかも人びとの暮らしに寄り添いながら暮らすという。
  その意味では、昔からの人とツバメの関係、往時からの生態系もまた、歴史的景観として大切に保存されていることになる。
  そんな街の景観と空気は、遠来の旅行者には「非日常」だが、この街の住民にとってはしごく普通の「日常」なのだ。

町家はツバメのお宿 手摺で休憩
街道を翔けるツバメ

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