美濃から木曾への入口にある馬籠宿では、街道は北東にひたすら登る坂道です。そこで、家々の屋根がつくる形も北東に向かって階段状に上昇する姿になります。
昇っていく道に沿って並ぶ家々の姿は、独特の奥行き感をもたらします。
街道に面した家並みはところどころで途切れ、そこでは庭園の奥に店舗などの家屋が位置しています。あるいは店舗の前に植栽やテラス、水車などがあって、それが、ゆったりとした開放感を与えるようです。
そのような景観は、里山風の庭園のなかに宿場街があるようなイメージをつくり上げています。田園風景なのですが、それが信州側の木曾路とは違う「洒落た都会風」の趣をもたらしているのかも。
それは、江戸時代の街並み風景を少し変えて、現代風の「和の美」に組み換えたものといえるでしょう。住民の入れ替わりとともに、家の造りや配置が変化したのかもしれません。
上の写真左手の家屋は、出梁造りなのですが、道側の間口が広い造りになっています。
この辺りから「街はずれ」というか田園風の風景が増えてきます。家並みの途切れた場所は、草地などになっています。
とかく歩くうちに、街並みの終り、陣場が近づいてきました。写真下は、陣場の高札場です。
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