馬籠宿の石畳の登り道は県道で終わりです。
でも、木曾街道(中山道)の登り道は続きます。高札場の上には、高い石垣で支えられた展望台があります。そこから来し方を振り返ると、恵那山や馬籠宿のはるか彼方まで見渡すことができます。
展望台から山道を5分も歩くか歩かないうちに、道は下りとなって県道の横に出ます。そこで沢の脇にある水車小屋に出会います。公園風の広場になっています。
【写真下】 沢の畔の水車小屋
さて、峠道はようやく始まったばかりです。幅の狭い小道は深い山中の森林のなかを行く山道になっていきます。
上り下りを繰り返す道ですが、それほど危険な場所はありません。
そして、旧街道はときどき県道に出て交差したり、県道をしばらく歩いたりして、ふたたび山林のなかを行く小径に戻ります。
いたるところに休憩に適した場所があります。のんびり歩きましょう。
◆峠の集落の家並みにも注目!◆
峠の集落の近辺では、道は舗装されています。それも、なかなか洒落た舗装なのです。
車で峠越えする人も、旧街道と出会う場所では車を降りて散策したらいかかでしょうか。素晴らしい景観にめぐりあうこと、請け合いです。
とくに峠の集落は、木曾路の伝統的な建築様式の住宅群が美しい家並みをつくり上げています。
風景の美しさに加えて、集落の近辺には、さまざまな名所旧跡などがあります。
◆険しい山道と滝◆
危険というほどの険路はないのですが、注意が必要な狭いところは、いくつかあります。
その代わりに、そういう場所ではなかなかに素晴らしい光景に出合います。
峠道の中ほどを過ぎたあたりで、深い谷沿いの道になります。そこには、「女滝」と「男滝」というカップルの滝があるのです。
この辺は、谷の底を沢に沿って歩く狭い道で、往時の「木曾の桟道」を彷彿とさせます【写真下】。
ここまで来れば、妻籠まであと少し。
やがて、森のなかの石畳のつづら折りの小径にさしかかります。
時間と体力に余裕のあるときは、少し先で県道を渡って(案内板にしたがって)「大妻籠」の集落を訪れるのも、すてきな体験となります。うだつのある旅籠、昔風の町家建築の家並みを見ることができます。
⇒大妻籠についての記事を見る
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