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岐阜県中津川市馬籠
 
◆ブログ風記事案内
   木曾路奈良井宿
 
馬籠宿の街歩き

【写真下2点】 店舗のなかの様子
  外から見える建物の形だけでなく、むしろ店のなかの見せ方こそ大事な個性の表現かもしれません。

槌馬屋の内部


■写真上■ 広い店舗にゆったりと商品を配置する方式。槌馬屋の2階は資料館(史料展示)になっている。

■写真下■ 小さなスペースに素朴な味わいの丸太木材を台にしたテーブル。コンパクトだが、狭苦しさを感じさせない。

店舗の内部

  店の内部ものぞいてみたのが、上の写真です。
  空間の活かし方や個性や趣の出し方にも、工夫があります。

⇒馬籠宿全体の絵地図を見る
木曾路全図(シンプル版絵地図)を見る

■景観博物館=ギャラリーとしての街並み■

  歴史的景観を保存した街並みは、それ自体が歴史博物館ないしはギャラリーともいうべき存在です。
  店舗の外観や建築様式それ自体が、伝統や歴史を物語っています。

  それだけではなく、店のなかに置いてある備品や家具、什器なども骨董的価値をもつ民芸品・工芸品であったりします。
  木曾路の宿場街の食事処・茶房、土産品店に入ってみると、室内に今ではとうてい入手できない希少・貴重な木工品・漆器などの工芸品(非売品)が置いてあったりします。

  馬籠には、木曾路のなかでも、街の規模からみるとかなり多くの博物館・資料館・ギャラリーがあります。そして、普通の店舗でも内部がギャラリー仕立てになっています
  記念館や資料館、ギャラリーなどと銘打っているだけでも、藤村記念館、脇本陣史料館、槌馬屋史料館、清水屋資料館があります。
  大黒屋では店内に史料ギャラリーがあります。

◆街に残る豊かな歴史◆

  今では茶房・食事処となっている大黒屋(大脇家)は、本来が造り酒屋で、大脇家の10代目、兵衛門が残した膨大な日誌が、藤村の『夜明け前』の物語と時代設定の土台となったといいます。兵衛門は、この小説で「伏見屋金兵衛」として登場します。
  そして、造り酒屋だった歴史の名残として、今でも軒下に大きな杉玉が飾られています。杉玉は毎年「新酒の仕込み」のときに、新しいものに取り換えられるのです。

  槌馬屋島崎家は宿の庄屋だったため、豊富な行政関係の史料が残されています。
 また、清水屋原家の8代目は、藤村の『嵐』の「森さん」のモデルだとか。

  ところで、ギャラリーや資料館そのものも経営体で、基本的に店舗や企業と同じだといえます。
  しかも、歴史を誇る有力な店舗・企業が、街の文化や歴史をアピールする大事な事業としてこうした施設を運営しています。観光ビジネスと文化は一体化しているのです。
  古い街並みや伝統文化を観光資源としているのですから、それが当然なのかもしれませんが。

店先の植栽

店先の植栽が個性の見せどころ

店舗の前庭

看板と植栽の組み合わせが個性

大黒屋

喫茶食事処「大黒屋」は古い歴史をもつ。
軒下の杉玉は、以前酒造屋だった名残り。

清水屋資料館

清水屋資料館。運営する林家の先祖は
藤村の小説のモデルだったという。

藤村記念館の門

本陣・藤村記念館の門

脇本陣資料館

脇本陣資料館
 
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