臼田駅方面から北上し、雨川の河岸段丘沿いに集落を東に進むと、家並みの向こうに緩やかな山裾斜面をおおう巨樹の森が見えてきます。まさに「こんもり」とした鎮守の森【写真下】です。
神社境内の南側の樹林には杉が多いようですが、見上げた枝葉の形とか幹や落ち葉から見て、なかにはヒノキの仲間が混じっているようです。
参道を取り囲むこの鎮守の森は、巨大な針葉樹からなる森で、樹高が20メートル前後、幹の直径がゆうに1メートルを超すものが目立ちます。拝殿近くの御神木の1つがサワラだということなので、杉のほかにはサワラが多いのかもしれません。
参道沿いのところどころに灯籠のように立つのは、ケヤキの老巨樹で、少なくとも樹齢は500年はありそうです。南向きの登り道を、陽射しを浴びながら静かに歩くと、心が癒されます。
▲春の陽射しを浴びた参道
さて、境内の説明書きによれば、この神社は興波岐命、その父神である建御名方命、伯父神である事代主命、そして誉田別命の四神が主祭神として祀られているということです。
このうち神社名の三社にあたるのは、はじめの3つで、それぞれ東本社、中本社、西本社に祀られているらしいと推察しました。
ところが、境内にはざっと見回しただけでも東西1組の十二社と天神社、子安社があるので、たくさんの神様たちでにぎわっているのです。
◆石垣の上の社殿群◆
山腹の斜面に立地しているため、主要な社殿は石垣で囲われた高台にあります。
参道に続く石段を登ると南面する拝殿があって、その右に神楽殿があります。拝殿の左右には大きな御神木があって、ケヤキとサワラです。これら左手には社務所の建物。
拝殿と神楽殿の奥には、一続きに西本社と中本社が並び立ち、そして少し離れて東本社が並んでいます。
三重塔は東本社のほぼ真後ろの山腹斜面に位置しています。
東本社と三重塔は国の重要文化財になっています。
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