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木曽路を歩く  目次
中山道/木曽路
立ちはだかる稜線
分水嶺
奈良井川
奈良井川

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中山道と木曾路  

奈良井川

▲谷間を流れ下る奈良井川:左岸が奈良井宿

  画面奥が下流で塩尻方面。川はここから数キロメートル先で平沢に達する。右手の河岸段丘には国道19号線が走る。左手はJR奈良井宿で、奈良井駅の渡り階段が見える。

■奈良井川■

  ごく大雑把に言うと、奈良井川は、木曽駒ケ岳山頂と奈良井宿を結ぶ線の東側の斜面にあって山脈から東に流れ下る水系が集まってできている河川だ。

  奈良井川の流れを追いかけるためには、伊那市から権兵衛街道を辿ればいい。権兵衛トンネルを抜けて番所トンネルを過ぎ、羽淵トンネルを出たところで右折すると、急峻な山肌にへばりついた道に入る。車は左側に深い谷底を見ながら走ることになる。
  番所トンネルの分岐から約7キロメートルで奈良井ダムにいたり、10キロメートルほどで奈良井宿に到達する。

  奈良井ダムは、分厚い堰堤のように岩石を積み上げてつくられたロックフィル式のダムだ。深い谷間に集められた渓流はダムで堰き止められ、豊かな水量のダム湖をつくっている。
  このダム湖は、奈良井宿の約3キロメートルほど南(上流)にある。ダム湖に集められた水は、取水口〜放水路を経て北向きに少しずつ流れ落ちて、奈良井川の渓流をつくる。

ダムの放水路
▲奈良井ダムの放水路

  奈良井川は宿の手前で大きく右に曲がって、向きを北東に変える。そして、そのまま峡谷を流れ下りながら周囲の山々から豊富な水を集めて、塩尻に達する。
  川筋はさらに北に流れ下って松本平で梓川などと合流して犀川となる。犀川は松本平を出ると、さらに山峡を流れ下って、善光寺平で千曲川と合流する。
  千曲川は信濃の国境を出ると信濃川と呼ばれ、越後の広大な平原をゆったり流れて新潟平野で日本海に注ぎ出る。
  こうして、奈良井川は日本の名だたる大河の源泉となっている。

  塩尻から奈良井までは奈良井側を遡上する旅となる。奈良井宿は、この奈良井川に沿ってつくられ、南西から北東に伸びる街筋をなしている。

木曾駒ケ岳
南北に長く稜線を伸ばす木曾駒ケ岳
奈良井ダム湖
奈良井ダム湖。雪解け期から夏まで、ダム湖には豊かに水が蓄えられていく。ダム湖の水は日本海に流れ出る。
ダム湖沿いの尾根筋
中央アルプスから続く急峻な尾根筋。ダム湖の西には、
分厚い壁のような山岳が迫っている。
奈良井川
川幅は、数百メートル流れ下る間にみるみる広がっていく
川幅を増した奈良井川

春には雪解け水を集めて水量を増す

奈良井宿俯瞰

▲鳥居峠から見下ろす奈良井宿
  藪原から峠道を歩き続け、峠の頂部を越えて山道を下っていく。すると、樹林のあいだから奈良井が見えてくる。
  その昔、難所の峠越えに挑んだ旅人は、眼下に奈良井宿を見下ろすところまで来ると、安堵しただろう。

 
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