桜の花が咲いている頃にも来たのですが、カメラの電池不良で写真撮影ができませんでした。
枝垂れ桜の古木は、花の時季が遠に過ぎ去って葉の色は一段と濃くなっています。桜の木を弱らせないためか、根の周囲には立ち入りができません。
その後、ようやく5月半ば過ぎに真楽寺を訪れることができました。深まった春の強い陽射しを浴びて、ものの輪郭や陰影が際立って見えます。
その近くにある鐘楼は、かなり重厚な造りなのですが、石垣がなく地面に直に建っているため、軽快に見えます。そり屋根は羽ばたく鳥のようです。
観音堂の隣には、乳牛と思われる牛の像があります。どういう機縁や由来があるのかわかりません。老巨木を背景にして眺めると、不思議な存在感があります。
▲乳牛の像
観音堂に向かう石段を登り切ってから振り返ると、杉並木がつくる参道の薄暗さの奥に、仁王門の銅ぶき屋根が鈍い輝きを放っています。
その仁王門のなかには、室町時代につくられたという2体の金剛力士像が左右に並んでいます。
▲樹林のあいだを登る参道
■やはり三重塔!■
この寺の景観としては、やはり三重塔が圧巻です。というか、観音堂の東側の空間につくられた塔を中心とする形の印象です。
神代杉を含めた森の木々に囲まれた空間に、台地から天空に伸びる塔の姿。それを見ると、私なりに、古来から塔を造営してきた人びとの心情が理解できるような気がします。
▲天空に突き出た先端
この写真を撮影した時間には、雨上がりで空が明るさを増してきたものの、まだ厚い雲が残っていました。そのために、逆光気味とはいえ、ひどいハレイションなしに何とか塔の先端まで撮り込むことができました。
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