柳町通りを北に歩き続けると、東西に走る小路と交わる辻に出ます。そこが街並みの北端で、その先に橋が見えます。
それは神宮橋という名で、矢出沢川に架かっています。矢出沢川は東から西に流れていて、ここから50メートルほど下流で支流の蛭沢川と合流します。蛭沢川は、柳町通りの裏手(西側)を北に流れています。
▲上田の名水「保命水」 の井戸跡
◆水の恵みを受ける街◆
柳町通りの北端の辻、手打ちそば「おお西」の店舗の脇には「保命水」の上水跡と石碑があります。今では記念碑と上水跡だけが残されている「保命水」は、その昔、ここから300メートルほど北の海善寺の境内から木樋で柳町まで引いてきたものだといいます。
川の流れが交わる柳町は、豊かな水に恵まれた街なのです。酒造店や味噌店がこの街通りにあるのも、水の恵みによるものでしょうそういえば、そば打ちも清冽な水が必要ですね。
▲菱屋の正面 武田菱の家門の染め抜き幕
▲創作工房風のNPOリベルテ
柳町通りと交わる小路もなかなかに良い雰囲気の街筋です。この路は茶系の石畳で舗装されていて、落ち着いた趣を見せています。ここにも街づくりの担い手となっている店舗・企業や団体があります。
この小路に沿って東に向かうと、古い城下町に似つかわしい武具店があります。さらに小路を進むと、矢出沢川にかかる小さな橋があって、中花房橋という小粋な名前です。
この橋から下流を眺めると、神宮橋が見えます。 |