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晩秋の浄光寺。
薬師堂に登る石段の入り口に山門がある。脇の大銀杏がこの寺の目印だ。
山麓の散策路「せせらぎ縁道」を歩いて、岩松院から南に数分歩くと、浄光寺の前に出る。
真言宗豊山派の浄光寺も山麓にある寺院で、建立から600年も経た薬師堂で有名だ。
小布施、というよりも雁田(刈田)の庄は歴史が古く、平安時代には施薬院があったという。
「現世利益」を理念に掲げる真言宗の学僧たちが、医療の研究と住民への施療をおこなっていたのだろう。
そういう伝統もあって、室町時代(15世紀)のはじめに、ここに薬師堂が建立されたのかもしれない。
山門をくぐって、欝蒼とした杉林に取り巻かれた長い石組みの参道を登る。
この石段もまた、造られてから600年を経ているという。長い年月持ちこたえているとは、建造当時の技術がよほどに確かなものだったのだろう。
茅葺き屋根の薬師堂は、禅宗時代の中国伝来の方式を受け入れながら和風の造りにした唐様建築だ。
別所・塩田平の薬師堂とほぼ同じ時代の建築だ。だが、はるかに雄大な感じで、どっしりしている。
欝蒼とした杉森のなかにあるせいか。
いや、屋根の形に理由があるのかもしれない。
別所・塩田平の薬師堂は寄棟の屋根だ。だが、この薬師堂の屋根は唐様の入母屋造りで、垂直に切り立った側面がある。
だから、大空に飛び立とうとしている大きな鳥(雁)のように見える。
何やら、「雁田」という地名から、そう連想するようになるのか。
ところで、薬師堂を説明する音声案内を聞くと、この寺と近隣の歴史がよくわかるので、お勧めだ。
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山門の左手奥(北側)に赤い屋根の本堂がある。
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薬師堂に導く石組みの参道
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入母屋の屋根は、上部側面が垂直に 持ち上がっていて、雄大さを感じる。 |
近づいて、扉と側面を眺める。 |
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