小布施を最もよく楽しむためには、郊外(街はずれ)の公営駐車場に車を置いて、歩くことだ。
そう、小布施は「歩いて楽しむ街」なのだ。
主な通り沿いには、庭園や街路樹・植栽を楽しめる場所がいたるところにある。
街を訪れた人びとは、庭園の景色を楽しみながら店から店へと移動する。あるいは、庭園風景を目の前に眺めながら、オープンテラスで食事をとることになる。
それだけではない。中心街には、小径とオープンガーデンがネットワーク状に配置されている。
中心街の街づくりのコンセプトは、「私たちの庭にようこそ」だという。
《welcome to our(my) garden》というわけだ。
街の中心部を歩いてみると、多くの店や住宅の敷地の入り口や門の脇に、木製の板や白いプラスティック板の《Welcome to My Garden》という標示がある。
公開庭園、つまりオープンガーデンだという。マナーを守ったうえで、誰でも入ることができる庭園なのだ。
■歩いて楽しみ、心を癒す■
店舗や住宅の民間の敷地(私有地)がオープンガーデンになっている。
里山風の庭園がほとんどだ。なかには、店舗に訪れた顧客のために長年、手間と金をかけてつくった庭園もあるが、それとて「里山」とか人里近い山岳 の風景を模したものだ。
街の中心集落(ダウンタウン)なので、それほど大きな面積の庭はない。むしろ小さな庭を工夫して、独特のたたずまいを演出している。
そういう庭園は小路で結ばれていて、「なんとか小路」コースと名づけられている。フォーマルな街歩きのコースになっている。
街の通りや公園・駐車場にも、同じコンセプトが施されている。どこにも、街路樹の並木やちょっとした里山風・庭園風の植栽が配置されている。
もちろん、神社や寺院、店や 住宅の庭園が街路樹や街路の植栽と連続していて、調和のとれた美しい景観をつくりあげている。
田園や庭園に溶け込んだ街並み空間が演出されている。
中心街では街並みに庭園が溶け込み、郊外では田園に集落が溶け込んでいる。
小布施は《庭園都市》なのだ! |