観音通りはまた「ギヤマン横町」とも呼ばれる。幕末期、中町横町の人びとが当時、たいへん高価なガラスを使った祭り屋台をつくって担いだからだという。ガラス管を組んで市松模様をあしらった格子天井を、屋台にはめ込んだという。
往時、渡来したスペイン人やポルトガル人は、でダイヤモンド風に輝くカットグラスを「ディアマンテ」と呼んだ。日本人がそれを「ギヤマン」と聞き違えたことから、ガラスはギヤマンと呼ばれることになったという。
さて、この通りにも老舗が並んでいる。
栗菓子店、通りを挟んで栗おこわとそばの専門店。これらの店舗はそれぞれ、小さな美術館を設営している。
見上げるような高い煙突を備えた酒造会社の蔵もある。酒蔵では、酒造りの現場を見学できるそうだ。
こういう老舗にはオープンガーデンがあって、小さな空間だが、美しい里山風景を楽しめる。庭園は、それぞれに通り抜けができて「中町小路」に連絡している。
この通りには観音堂や寺院があって、全体として「和の美」が基調の通りで、植栽や樹林風の景観が楽しめる。
けれども、洋菓子店があったり、洋風建物の伝統的な栗菓子店があったりと、不思議な「ハイカラ」さが入り混じっている。
■欧風と和風の調和した庭園通り■
老舗が並ぶ界隈から東に向かって歩いて歩いてみる。すると、この町のイメージに合わせて、木材を豊富に使った建築会社の建物に出くわす。
道の北側には西永寺、その向こうに小布施ミュージアム中島千波館がある。この美術館には、駐車場から奥まで、敷地いっぱいに庭園が広がっている。
美術館の東には、ギャラリーを兼ねた工房が軒を連ねる。ガラスのギャラリー工房とかアート&クラフトとか・・・。そして、洋菓子屋かとも見える洋風の店舗は、伝統的な栗菓子の専門店。
道の南側には、小布施中学や骨董店、文房具店がある。住宅は道沿いに低木の垣根とか板塀を配していて、なかなかに落ちついた景観が楽しめる。
⇒街歩き絵地図参照
というわけで、中学校の門あたりで振り返って、来し方(西)を見ると、美術館の庭園や工房の前庭に樹林が続いていて、植物園か公園のような風景ではないか(写真上)。
洋風建築の栗菓子店▲
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