◆戸隠高原の晩秋は始まっている◆
気候温暖化のせいか、信州の高原でもしだいに紅葉の時季が遅くなってきています。
それでも、高原の山林のなかには季節の変化に敏感に反応する樹木(植物)があって、10月上旬に紅葉・黄葉や落葉を急ぐものが目立ってきました。
戸隠神社奥社の近くでは、紅葉の季節が着実に進んでいました。
この付近の標高は1200メートル近くで、軽井沢よりも100~150メートルほど高いうえに、ずっと北に位置しているので、晩秋はもうすぐ目の前に近づいているようです。
奥社参道は県道36号の北側から始まりますが、中社の西脇から奥社参道に連絡する遊歩道を歩いてくることをおススメします。
▲参道入り口脇の竹細工センター
▲大鳥居前を流れる沢、さかさ川
◆参道入り口付近の様子◆
奥社参道入り口付近には食事処や蕎麦店がありますが、そのほかに戸隠民俗資料館や戸隠忍法資料館/忍者からくり裏屋敷、竹細工センターもあって、ここだけで1日過ごすこともできます。参道の西側は越水ケ原という湿原地帯で、戸隠森林植物園となっています。木道を歩いて森林浴するのもいいでしょう。
この辺りは信州でも有数の豪雪地帯で、例年2~3メートルほどの積雪になります。したがって、水源は豊富で、一帯が湿原となるのです。
▲参道脇を流れる沢。豪雪地帯で豊富な水源に恵まれていて、森林のいたるところの沢や湿地にミズバショウの群落が見られる。
◆奥社参道を歩く◆
この日(2016年10月8日)、戸隠は天気が回復して青空が広がりました。奥社近くの森の樹間から戸隠山の切り立った岩稜がくっきりと眺めることができました。この岩稜は、まさに鋸の歯のように狭い幅で、登山には相当の覚悟が必要です。
その昔は、密教の修験者たちが命がけでこの岩稜を渡っていったそうです。岩稜の中腹には修験者がこもって修行した岩庇の下の洞がいくつも残されていて、なかには小さな祠や石仏もあるようです。
私は、戸隠神社中社脇の参道を歩いて奥社参道前の駐車場まで行き、しばらく休んでから、深い森林のなかを往く奥社への参道を歩き始めました。
ここでは、すでに晩秋の気配や兆候が着実に近づいてきていました。
ウルシやヌルデ、ナナカマド、そしてアケビや蔦などの蔓植物はいちはやく紅葉しています。
奥社参道の周囲は原生林で取り巻かれています。圧倒的な自然のなかに取り込まれているという感じです。
参道の西側(左側)は森林植物園となっています。植物園への連絡路は参道脇にいくつもあって、阿古に足を踏み入れると原生の自然林を体験できます。
▲参道から森林植物園への通路
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