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長野県佐久市前山
 
 
 
境内めぐり 続き  

  眩しく突き刺さるように降り注ぐ陽射しと欝蒼たる木陰の陰影。樹林に取り巻かれた三重塔をめぐる景観は、このような明暗の差を際立たせています。

若葉の淡い緑にも、夏の深みを増した緑にも似合う三重塔
  さて、引き続いて境内のさまざまな景観を訪ねて回ります。

■歴史を感じる景観■

  境内の建物には、過ぎ越してきた長い歴史を物語る痕跡がとどめられています。
  たとえば山門(仁王門)。これは、室町期創建の禅寺に特有の質実な茅葺屋根を今にとどめている唯一の建物です。



葺替え用の萱と葺替え工事の様子

  2012年5月、たまたま仁王門の屋根の葺替え工事中に訪れたときの様子が上の2の写真です。
  工事を担当していた茅葺職人夫婦に話を聞いたところ、貞祥寺の堂宇は以前はすべて茅葺屋根でしたが、補修や営繕の経済性から銅葺屋根に変わってきたということだとか。
  そして、鐘楼と江湖寮を結ぶ廊下には、かつて本堂が茅葺屋根だったころの破風飾り板が保存されています【写真下】。これも古い歴史を物語る資料です。


堂宇が茅葺だった頃の破風飾り版

  茅葺屋根の山門は仁王門でもあって、門の左右には阿吽2体の仁王像が置かれています。


霊園から浅間山を眺望

  本堂の裏の山腹には霊園があります。そこから北東に遠く浅間山を眺めることができます。
  樹間の木漏れ日が落ちる場所には苔が育っています。


塔の屋根に夏の日が降り注ぐ

【写真上下】夏の陽射しのもとで勢いを増した樹林の緑に取り巻かれた三重塔。

屋根を葺き替える前の山門(仁王門 2012年春)
屋根を葺き替えたあとの山門

仁王門の両翼にある阿吽の2体

三重塔から下る山道杉並木
         

塔の前から堂宇を見おろす


石畳の参道を下る。眼下に佐久平が広がる。
参道を下っていくときには、参道脇の樹間から
佐久平の風景が目に入る。だが、明暗の差が
大きすぎて、カメラでは遠景はとらえられない。
 樹間から佐久平が見える。
かなり下まで参道を降りてきたところで、
樹間に浮かぶ佐久平の風景の断片を写してみた。
 

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