境内の建物には、過ぎ越してきた長い歴史を物語る痕跡がとどめられています。
たとえば山門(仁王門)。これは、室町期創建の禅寺に特有の質実な茅葺屋根を今にとどめている唯一の建物です。
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2012年5月、たまたま仁王門の屋根の葺替え工事中に訪れたときの様子が上の2の写真です。
工事を担当していた茅葺職人夫婦に話を聞いたところ、貞祥寺の堂宇は以前はすべて茅葺屋根でしたが、補修や営繕の経済性から銅葺屋根に変わってきたということだとか。
そして、鐘楼と江湖寮を結ぶ廊下には、かつて本堂が茅葺屋根だったころの破風飾り板が保存されています【写真下】。これも古い歴史を物語る資料です。
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▲堂宇が茅葺だった頃の破風飾り版
茅葺屋根の山門は仁王門でもあって、門の左右には阿吽2体の仁王像が置かれています。
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本堂の裏の山腹には霊園があります。そこから北東に遠く浅間山を眺めることができます。
樹間の木漏れ日が落ちる場所には苔が育っています。
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【写真上下】夏の陽射しのもとで勢いを増した樹林の緑に取り巻かれた三重塔。
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