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長野県安曇野市穂高牧
 
 
安曇野の山寺


▲境内庭園の一角に並ぶ石仏群。古いものらしく、脇の石塔は崩れている。

  満願寺は「信濃高野」と呼ばれているほどに格式の高い寺院なのだとか。そして、境内にはツツジや山桜をはじめ多様な草花や樹木が植えられていて、どの季節に訪れても、野趣あふれる境内庭園歩きを楽しむことができます。境内庭園は、春の山桜、ツツジや晩秋の紅葉は安曇野でも一番に美しいところなのだそうで、栗尾山公園とも呼ばれています。


▲ツツジ園から庫裏を眺める。石垣の奥に本堂がある。











■野趣あふれる境内庭園■

◆安曇野随一のツツジの名所◆

  満願寺の境内には、1976年頃に旧穂高町が数多くのツツジを移植して庭園を整備したそうです。その頃から、満願寺の境内庭園は「栗尾山公園」とか「栗尾山ツツジ園」と呼ばれるようになったのだとか。
  この境内には古くから、漢方薬の原材料として梅が栽培されていたり、山桜や山藤、カエデが自生していたようです。ツツジ園整備のさいにさらに枝垂山桜を植えて、庭園の景観を整えたようです。


▲この奥に庫裏と本堂などがある

▲裏山から境内に湧き出てくる「命水」

  右に掲載した写真のツツジや垂れ山桜が春に一斉に開花した様子を想像してみたください。それはみごとな風景が現れること請け合いです。
  深い山中での密教修験によって仏教の奥義や真理を探究しようとする動きが盛んになり始めた頃です。ことに。彼らが留学で得た最先端の仏教知識や当時の科学技術(医療も含む)を各地方に広め、農村開拓や都邑建設を指導した頃です。
  満願寺も安曇野における真言密教の修行の――それゆえまた農村開拓の――拠点となったのかもしれません。

  庭園の下の地蔵堂脇の参道を登って、途中、仁王門横から境内庭園に入って散策することもできます。古い寺院ですから、いつ頃につくられたとも知れない古い石仏群もあちこちに見つけられます。
  高台上の駐車場から庫裏に向かう途中には、裏山から湧き出てきた「命水」という名水の水場もあります。脇には古株の山藤があって、いかにも山寺の趣きです。そのほかにも、境内や参道のあちこちに湧き水が出ています。
  こんな山奥ですから、野生動物も多く、野猿の家族や単独行動のリスが近くに出現することもあります。私は6頭ほどの野猿の群れに出会いました。


境内のあちこちに並ぶ石仏は野仏を集めたものか

庭園各所にツツジの群落がある

旧穂高町がここにたくさんのツツジを植樹した

庭園内のあずまや

枝垂山桜とツツジが織りなす庭園景観

梅やカエデ、山藤などもある

高台上の駐車場の山桜並木

境内近くには頻繁に野猿の家族が現れる
 
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