▲城郭のように連なる石垣
今回は、大妻籠の看板から男垂川を渡って急坂の小径を南にのぼっていきます。
この小径の脇には、城郭のように折り重なる石垣や水車小屋があったりして、杣路としての木曾路の情緒たっぷりです。
坂の上には「まるや」「つたむらや」「近江屋」などの旅籠が軒を連ねています。
▲坂の途中も見どころたっぷり
▲水車小屋を振り返る
背後の尾根峰の上に神明砦があった
このうち「まるや」と「つたむらや」は袖壁に白漆喰を施して「うだつ」のように仕立ててあります。
江戸時代の中山道・木曾路の姿の名残を今にとどめている風景です。 とはいえ、この日、宿泊施設として営業していることがはっきりわかったのは「まるや」だけです。
大妻籠には、従来、民宿や旅館など宿泊施設を営む住民が多かったのですが、高齢化や後継者不足で、宿泊業が続けられなくなった家が目立っています。
▲旅籠前から見おろした谷下の男垂川
▲中山道脇の「まるや」の様子
さて、馬籠峠を下った来た古中山道は、森のなかのつづら折りの石畳の細道を抜けて県道7号に出ます。しばらく県道を歩くと左手に大きな庚申塚が見えてきます。その庚申塚の手前を左折して入った小径が古中山道です。
▲馬籠峠に向かって南に向かう古中山道
その小径を歩き続けると、北に大妻籠の旅籠が並ぶ集落が見えてきます。その手前には小さな橋が架かっています。下を流れる沢は男垂川です。
旅籠が並ぶ家並みを過ぎると小径は下り坂になります。また小さな橋を渡ると、金剛屋がある集落にいたり、そこでふたたび県道7号に出ます。さらに進んで蛇行する男垂川に架かる神明橋を渡って、左手の急坂をのぼると神明集落に入ります。その小径が古中山道です。
この小径は山尾根を回り込むようにして、蘭川の谷に下っていきます。坂の下の石畳を進んで、蘭川に架かる大妻橋を渡り、川を左手に見ながら歩いていくと妻籠宿の入り口に差しかかります。
⇒神明尾根峰の城砦について
|