駅前から谷街道(国道403号線)に出て、街道を南に歩いてみよう。
中町ないし中町南の交差点を挟んで前後500メートルくらいが、目抜き通り(ブールヴァール)ということになろうか。
長野電鉄の列車からは、街に訪れる人びとが次々に降り立ってくる。今、ローカル線での旅が静かなブームになっているらしい。
駅の建物には観光案内所がある。街の歴史や文化財、景観に詳しい人たちがヴォランティアで観光客に情報を提供している。
駅の広場にも、里山風の樹林を模した庭園風植栽がある。駅を出てきた来訪者に最初に、里山風庭園という小布施のイメージを伝えるためだろうか。
いかにもこの町にふさわしい景観だ。
駅前を東に向かう道は、「駅前神宮通り」と呼ばれる。この道は、商工会館の前で南に曲がる。鎮守の森が見える皇大神社の方に行く。
行ってみたい気もするが、今回は谷街道に出て大通りを南に歩いてみるのが目的だから、道なりにまっすぐ東に歩くことにする。
⇒街歩き絵地図参照
■谷街道の街並み■
駅前から来てぶつかる大通りが谷街道だ。右に曲がると、右手(西側)に皇大神社や郵便局がある。
反対側を見ると、味噌屋がある。いかにも小布施風で、蔵造りのような店舗の構えだ。
店の南側のスペースは、奥まで行けそうな感じだ。やはり端然とした庭園になっている。その奥には「ぎゃらりい蔵」というジャズ喫茶=美術館があるらしい。
スペースと庭園はオープンガーデンになっていて、観音通りに向かう小道につながるようだ。。
谷街道を南に歩くと、すぐに中町交差点となる。街の中心部だ。左手(東)に向かえば観音通りで、右手(西)に向かえば、交番や栗が丘小学校に行き着く。
さて、大通りの両側には店舗が並んでいる。
栗菓子・栗料理の大店は、道造に公共スペースのようなオープンガーデンとパラソル・カフェテラスを用意している。
大通りの反対側の寒天食品店の建物は、茅葺き古民家風。やはり端正な庭園とカフェテラスを設営している。
こういう設定は、開放的な気分をもたらして、街並みや庭園を眺めて歩こうという気分を誘う。
中心街の街路樹や植栽はじつに工夫されている。小さな空間を巧みに利用して、近隣の住宅や店舗の庭園と自然に結びついて、心地よい里山風の景観を織りなしている。
その一角だけ見ると、街の中心部の風景とは思えない。
植物がある風景、樹林風の景観というものが、これほどに人の気分を癒してくれるとは…。
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