小菅神社の参道は二の鳥居から始まると言ってもいいでしょう。二の鳥居は瑞穂集落のなかにあって、里宮までは、およそ1.2キロメートルほどの坂道をのぼることになります。
ここに二の鳥居が建てられた理由は、おそらく明治以降、小菅神社の祭礼などの催しを担うのが瑞穂集落の氏子たちだったので、集落の主要部から里宮までを「おねり」の道筋としたからではないかと思われます。
したがって、里宮の参道の様子を知るためには、二の鳥居から里宮本殿まで歩いてみるのがいいでしょう。もちろん、急な坂道ですからクルマで通ってもいいでしょう。
▲里宮の大鳥居
▲杉並木の下を往く参道
二の鳥居から仁王門までが約900メートル、そこから里宮の大鳥居までが200メートルほど。大鳥居から石段を経て、社殿群が並ぶ壇上までが100メートルくらい。急な上り坂が多いので、ゆっくり歩いてください。
里宮の入り口(大鳥居前)の脇には社務所があります。大鳥居から石段まで、参道の両脇は杉並木とアジサイに囲まれています。毎年7月の例祭は、アジサイの花が咲く頃に催されます。
石段の上には、西から神馬殿、神楽殿、神輿殿が並び、中央部奥の石垣壇上には本殿が置かれています。7月中旬に神社を訪ねたときには、本殿前には例祭用の茅の輪が設置されていました。
◆小菅神社例大祭◆
さて、戸隠や飯綱と並ぶ北信濃の三大修験霊場のひとつ「小菅山」では、毎年7月後半に「小菅神社例大祭」がおこなわれます。
今年(2019年)は7月21日に、3年に一度の火口焼神事・例祭行列・御神輿渡御、柱松柴燈神事が挙行されました。なかでも「柱松柴燈神事」は修験者の験比べ
と豊作を占う火祭りで、奇祭として知られています。
上(かみ)下(しも)二本の柱松に、 松神子と呼ばれる5~7歳くらいの子供が 柱松の上に担ぎ上げられ、どちらが先に 点火するかを競い、上が勝つと天下泰平、
下が勝つと五穀豊穣だと云われています。
▲神馬殿<
北信では、江戸時代に藩の保護を受けた有力な神社の多くには神馬が奉納され保管されてきましたが、小菅神社にも神馬が置かれています。
ただし、小菅神社はもともとは元隆寺の管理下にあって、元隆寺は馬頭観音を中心的な存在として祀っていたので、この神馬は特別の存在かもしれません。
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