▲小町屋の中小路の脇に立つ大ケヤキ。その根元に柏手社の小さな石祠がある。
今回は古町屋の中小路から地蔵小路の辺りをめぐって、小さな神社・祠群を探訪してみます。
水神の祠から水眼の流れに沿って小町屋の中小路を70メートルほど下っていくと、右手(東側)に大きなケヤキがあって、その根元に小さな石祠が祀られています。これが柏手社です。脇に安国寺史友会による説明板が建てられています。
説明によると、神事にさいの供物の膳を擁したところで、前宮での儀式の締めくくりとして、ここで神事をおこなってそれから本宮に詣でるという儀典の流れだったようです。その意味では重要な社だったのですが、今は小さにし祠だけが残されています。
急傾斜の高台に祀られた祝神社: 背後に立つのはカヤノキのようだ▲
そこから南東に40メートルほど離れた場所に、小ぶりな石鳥居をともなう祠群が安置されています。前宮十間廊の前の説明板によると、祝神社だということです。郷土史家によると正しくは祝殿社四社のひとつだそうです。
この2つの神社は、ともに水眼の流れと樋沢川がつくった扇状地の急斜面の壇上にあって、開けた展望のなかに北方の八ケ岳を仰ぐ位置にあります。