◆店の歴史と建物の歴史と◆
店舗家屋は修復や復元がおこなわれていることもあって、古い家屋に新しい業容・業態の店舗が入っていることも珍しくないのが、中町の特徴です。
店の古さで言えば、「はきもの矢口本店」は創業から370年。ということは、松本城下の善光寺街道の歴史をそっくり背負っているようなもの!
ミドリ薬局は大正時代の創業で、店舗家屋は昭和初期のもの。大正ロマンの香りがする建物です。
◆歴史民俗博物館機能を備えた街◆
▲「はかり資料館」がある一角
▼粋な風見風の吊るし看板
信州で伝統的な街並み景観の保全につとめている街の多くは、店舗家屋に「民俗博物館」の機能を組み込むノウハウを蓄えています。
松本市中町でも、商売を営む店舗が屋内に民俗資料を巧みに展示していることもあれば、商売を停止したのちに、古い店舗家屋を残しながら、あつかってきた物品を歴史資料として展示する博物館に転身する場合もあります。
というわけで、中町通りの店舗を一通り見て歩くと、そこそこ大きな歴史民俗博物館を見学して回ったような経験ができます。
◆古さが粋な建物を探す◆
さて、では最後に古さが粋な町屋家屋を探してみましょう。
私は壁の色合いに注目しながら、家並みを見て回りました。すると、通りの東側に白壁が煤けている店舗家屋が多いということに気がつきました。
もちろん、これはあくまで外観だけに注目した判断にすぎません。
▲陶器・民芸品の「ちきりや」
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