◆松並木の下の石畳の道◆
歌川広重の東海道や中山道を描いた浮世絵には、松の巨樹の下を歩く旅人の姿が描かれたものがあります。私は、あんなに大きな松を描いたのは誇張表現ではないかと思っていました。
▲松並木の脇には田畑が広がる
ところが、あの絵は実際の風景の写生や旅人の体験談にもとづいて描かれたものなのです。幹回りが二抱えもある松が街道沿いに並んでいたのです。
中山道ではただ一か所、松並木が残されている芦田宿手前の笠取峠の石畳の道を歩いてみると、そのことが実感できます。樹齢300年ほどの老巨樹がまだ何十本か残されているのです。
とはいうものの、大きな松はマツクイムシにやられて次々と枯死しています。あと何年かすると、江戸時代からの松は消滅するかもしれません。
笠取峠の松並木を見たいという人は、どうか早めに見に来てください。
▲遊歩道の脇には歌碑がある
▲遊歩道沿いの道祖神
長久保からクルマで国道142号を走って笠取峠の頂上を過ぎると、まもなく松並木公園の入り口に差しかかります。そこの駐車場にクルマを置いて松並木の遊歩道を歩くことをおススメします。この峠の国道は交通が激しいので、歩くのには不向きだからです。
公園入口の反対側にも300メートルほど松並木がありますが、こちらには駐車場はなく道も普通の舗装です。松並木は国道で2つの部分に切り分けられる形です。
さて、公園駐車場の脇にはお手洗いや展望所あずまや、そして桜広場があります。
そこから北東に向かって1キロメートルほど石畳の遊歩道が続きます。
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