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長野県北佐久郡
立科町山部上房
 
 
宿駅西端の寺院


▲紫雲の松の背後に位牌堂、その奥が本堂

  江戸時代には芦田宿入り口の桝形を抜けるとまず目に入るのが、高台にある正明寺だったと思われます。
  その頃、中山道は現在の道よりも西にあって北側から回り込んで芦田宿に入るようになっていたからです。
  言ってみれば、正明寺は宿場町の西を扼する鎮だったのです。

■宿場でただひとつの寺■

  境内入り口の説明板によると、真言宗の寺院、正明寺の開山は1522年で僧登算によるものだそうです。立科町誌によると、起源は津金寺にあった二十四房のひとつだそうですから、登算は津金寺の談議所に学んだ真言宗の僧ではないかと考えられます。
  開創は1656年(明暦2年)ということですから、芦田宿の集落の建設がかなり進んだ頃にここに堂宇が建立されたのでしょうか。


▲境内の背後の様子

▲花芽をつけた枝垂桜

  寺の本尊、阿弥陀如来は弘法大師の作だと伝えられているそうです。しかし現存の阿弥陀如来像は江戸末期の作風だとか。
  寺は何度も火災に遭遇して堂宇を失ってきたそうで、江戸末期まで本堂のほかに薬師堂が残っていたものの。明治5年に廃されてしまったそうです――廃仏棄釈運動のせいでしょうか。
  本堂は明治7年に焼失して再建されたようですが、かの説明板には現存のものは大正14年に再建されたものだと書かれています。
  本堂の西脇には位牌堂がありますが、これは2000年に新築されたものだということです。位牌堂は、高齢化や過疎化が進んだため墓参されなくなった祖霊や位牌を――無縁仏化を防ぐための方法だとか―― 一括して祀るための施設です。

  正明寺は佐久郡八十八か所巡礼のなかの82番目の札所になっているそうです。「頼みなば あしたの露と消えるとも 救いたまわん みだの三尊」という巡礼歌が残されているとか。


▲境内から街道を見おろす

  ところで、境内には有名な「紫雲の松」が2本あります。右の写真に示すように、樹高が低く幹と枝が横に広がっていて、あたかも空に低くたなびく紫雲のような形をしていることから、そういう名前がついたのだそうです。

  境内には紫雲の松のほかにも地元で愛されている枝垂桜の古木があります。幹の太さから見て、樹齢は150年ほどはありそうです。
  撮影したのは2018年3月下旬ですが、異例の暖かさで撮影から2週間ほどで開花したそうです。


街道から寺にのぼる参道

堅牢な石垣と石段。枝垂桜が葉を繁らせている。

本堂の屋根は急峻だ

この道は宿の中心部の本陣に向かう

本堂の前にはイチョウの古木

寺の名物、紫雲の松(2本ある)

樹高は低く横に伸びている

低くたなびく紫雲のような形

石段の上の枝垂桜
 
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