小野宿から諏訪湖に向かう山中にじつに不可思議で奇妙な森があります。小野峠の楡澤と呼ばれる窪地にある「枝垂れ栗」の群落です。国の天然記念物に指定されています。
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▲勝弦山裾野の高台に位置する東照宮の拝殿
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三つ葉葵の紋が光る東照宮の標柱▲
「しだれ栗」というのですから、栗の木の枝が垂れ下がっているのですが、幹や太枝が螺旋を描くように曲がりくねっているのです。じつに奇怪な姿で、もし栗の世界に「魔王」というものがあるとすると、それはおそらくこんな姿ではないか、と想像できます。
この奇妙な植物は、突然変異によって出現したそうです。そういう遺伝子の突然変異がどんな植物にも発生するそうですが、それにしても奇妙な姿です。しかも、これほどの規模で枝垂れ栗の樹が群生することはめったにないようです。
その昔、人びとはこの奇妙な姿の樹林を天狗の仕業だと畏れていて、近づかなかったそうです。
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