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長野県上伊那郡辰野町〜塩尻市
 
 
信濃国二ノ宮


▲小野神社の拝殿:左右に脇拝殿が並ぶ。諏訪大社の片拝殿が並立するという様式を模している。

  小野神社は古代から、諏訪湖畔の諏訪大社(信濃国一ノ宮)に次ぐ信濃国二ノ宮という高い社格を与えられてきました。もともとは隣接する矢彦神社と一体の神社でしたが、有力な神社で神官も多かったせいか、鎌倉時代から神官団が2つの派閥に分かれて対抗し合い、社殿群もそれぞれに保有していて神事・祭事をそれぞれ別に取りおこなうようになっていたのだとか。
  こうして、境内や社叢を共有融合しながらも、いつしか別個独立――あたかもはじめから別々の起源由緒を持つがごとき――の2つの神社となったようです。


サワラ、ケヤキ、カツラ、カエデなどからなる自然林の社叢▲

  小野神社の草創をめぐる神話伝承では、建御名方命たけみなかたのみことが諏訪に入ろうとしたところ、諏訪には洩矢神もりやかみがいて入れなかったため、建御名方命はこの小野の地にしばらく留まったのだとか。
  一方、矢彦神社の伝承では、大己貴命おおむなちのみことが国づくりに務めていたさい、事代主命ことしろぬしのみこととその弟の建御名方命を従えてこの地に立ち寄ったのだそうです。
  そして欽明天皇年間(6世紀半ば頃か)、大己貴命と事代主命を正殿に、建御名方命と八坂刀売命を副殿に祀って小野両神社の祭祀の形が整ったのだとか。神話ではなく史実としては不詳だが、当地が古くから東山道の要衝であったこと、社宝の神代鉾・鉄鐸・御正体があることなどから、古い時期に創建された神社だと見られています。

■諏訪明神系でも別格の神社■


▲国道153号を跨ぐ大鳥居。南側からの眺め。

▲宮前を通る国道153号。右手が境内。

  小野神社の草創にまつわる神話伝説が、建御名方命たけみなかたのみことが諏訪に入る前の時期のものであることから、この神社は諏訪大社に先んじる由緒を誇っています。
  そういう理由からか、諏訪明神系の神社の恒例祭事となっている6年おきの御柱祭(遷宮祭)は、小野(矢彦)神社では諏訪大社よりも1年前に催されることになっています。この神社の御柱祭が諏訪大社の御柱際の先触れをするというわけです。諏訪社系では別格のあつかいを受けているのです。
  このことは、小野の住民の心に秘めたおごそかな誇りとなっているようです。


▲小野神社の御柱、二の柱

▲神楽殿

  信州のほとんどの神社は鬱蒼たる鎮守の杜(樹林)に囲まれています。山岳や森林をご神体としているので、当たり前といえば当たり前なのですが。
  さはさりながら、小野・矢彦神社は、社叢として、その周囲に太古からの現生の樹林を残している点で特筆すべきです。神社が森のなかにあるのです。


▲社叢の樹林に囲まれた小野神社拝殿
 手前は泉水回遊庭園の上段の池

  そのほかに境内の特徴といえば、屋根付きの立派な奉納相撲土俵と薬師殿と鐘楼があることです。薬師殿と鐘楼に関しては、明治よりも前の神仏習合の名残をとどめているということになるのでしょうか。


▲境内摂社:
 左から天満社、胸肩社、子安社、稲荷社


国道脇に立つ小野神社の大鳥居

拝殿前の石段から大鳥居を振り返る

境内北東端の小鳥居と庭園参道

池泉回遊式庭園の下段の池

大鳥居脇の社務所
小ぶりの鐘楼と思しき建造物

左手は額殿、右手は屋根付きの奉納相撲土俵

左から額殿、御厩、薬師殿
寄棟阿弥陀堂風の薬師殿

中央は拝殿奥の勅使殿

勅使殿の奥に並ぶ右から八幡社、左二棟は本社殿


社叢の西側を通る旧三州街道。圧倒的な存在感の樹林は、街の中心にある。

 
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