長窪古町の中央部には、西蓮寺と豊受大神宮があって、いわば街の核を形づくっています。
西蓮寺は鎌倉前期、豊受神社は平安前期に開創の由緒をもつ古刹です。
▲西蓮寺の境内
▲豊受大神宮の境内
豊受大神宮の社殿はサワラと杉の混合樹林に囲まれていますが、樹林は西蓮寺の裏まで続いています。その昔は、ずっと大きな杜が神社と寺院を取り囲んでいたのでしょう。
古町は、古代から中世・近世にかけて門前町であると同時に城下町であったとういことになります。もっとも、城下町には寺社が集まっているのが通常なのですが。
中山道と北国街道を結ぶ古くからの街道は西蓮寺と豊受大神宮の前を通って、上田方面に向かっています。この道沿いには古い造り――たとえば茅葺き屋根とか出梁造りとか――の町屋が軒を連ねています。
大きな構えの民家のなかには、長屋門や薬医門をともなっているものもあります。これらの門は修復の手が入れられて保全されていますが、もし江戸時代からのものならば、旧長窪城主の家臣で、その後も街の有力家門であり続けた家系だということになるかもしれません。
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街の中央部。右手は西蓮寺の塀。
豊受大神宮の門前から北の街並み
寺社の北側の街並み
薬医門を備えた広壮な家屋 |