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長野県小県郡
長和町古町
 
 
室町時代の城下町


▲長窪城跡から古町から北を眺望。
  依田川がつくり出した盆地地形が手に取るようにわかる。稜線の向こうには武石、塩田平、丸子がある。

  上の写真で、北国街道に連絡する古い街道は、右手の尾根の山麓を依田川沿いに北に向かっていた。
  中山道と北国街道(善光寺道)を結んでいたその道は、往時、人びとの通行が絶えなかったという。その頃の長窪古町は殷賑を極めたものと思われる。
  古町は、規模は小さいが500年以上の歴史を持っていて、古都の風格を漂わせる集落だ。「信州の鎌倉」はここにもある。

■寺社を核とした街の構造■

  長窪古町の中央部には、西蓮寺と豊受大神宮があって、いわば街の核を形づくっています。
  西蓮寺は鎌倉前期、豊受神社は平安前期に開創の由緒をもつ古刹です。


▲西蓮寺の境内

▲豊受大神宮の境内

  豊受大神宮の社殿はサワラと杉の混合樹林に囲まれていますが、樹林は西蓮寺の裏まで続いています。その昔は、ずっと大きな杜が神社と寺院を取り囲んでいたのでしょう。
  古町は、古代から中世・近世にかけて門前町であると同時に城下町であったとういことになります。もっとも、城下町には寺社が集まっているのが通常なのですが。

  中山道と北国街道を結ぶ古くからの街道は西蓮寺と豊受大神宮の前を通って、上田方面に向かっています。この道沿いには古い造り――たとえば茅葺き屋根とか出梁造りとか――の町屋が軒を連ねています。
  大きな構えの民家のなかには、長屋門や薬医門をともなっているものもあります。これらの門は修復の手が入れられて保全されていますが、もし江戸時代からのものならば、旧長窪城主の家臣で、その後も街の有力家門であり続けた家系だということになるかもしれません。


街の中央部。右手は西蓮寺の塀。

豊受大神宮の門前から北の街並み

寺社の北側の街並み

薬医門を備えた広壮な家屋

古い造りを残した大きな家屋

街道沿いの古い出梁造りの民家
 
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