白華山慈雲寺は臨済宗の禅寺です。
古い歴史を持っていて、創建は鎌倉時代の1300年。当時、諏訪大社下社の最有力の神官で武士となっていた大祝金指満貞が春宮の鬼門を鎮護する寺院として開基したそうです。
満貞はそのために鎌倉五山のひとつ、建長寺の住職であった一山一寧禅師を招聘しました。一山一寧は、日本に禅宗を広めるためにはるばる宋からやって来た高名な禅僧です。
信濃でも最有力の武家が鎌倉から高僧を招いて開山したということで、大変に格式が高い禅寺なのです。そういうわけで、開山以来、名のある高僧が住職を務めてきました。
山門は禅宗様式の楼門で、一階の左右には2体の仁王像を配し、二階には梵鐘が吊るされています。楼門と梵鐘はともに街の文化財となっています。
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▲木漏れ日を浴びて幻想的な杉並木
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山門の前にたたずむ
◆山門に続く杉並木◆
旧中山道脇の大門口の石段が本来の慈雲寺の参道です。この石段を登り切ると、国道の向こう側に現在の慈雲寺の境内があります。
杉木立が陽射しを遮るため、参道は薄暗くて幻想的な趣です。足元の石畳は苔に取り囲まれています。
杉並木と山門の周囲には、なかなかに風趣に富んだ光景を見出すことができます。
私が気に入ったのは、山門の東脇にある石仏群です。直角に折れ曲がった小さな石垣の上に、石仏が列柱のように並んでいます。石仏のなかには、十一面千手観音――慈雲寺の本尊――とわかるものもあります。
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▲▼楼門左右の阿形と吽形
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