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長野県諏訪郡下諏訪町
 
 
堂宇と庭園  

▲枯山水風の庭園の奥には清浄光殿と禅堂

  名刹慈雲寺には往時、たくさんの修行僧が集まりました。彼らの宿泊施設を「旦過寮たんがりょう」と呼びました。「旦過」とは本来「一夜の宿」という意味ですが、旅の修行僧の宿を意味します。
  下諏訪には温泉が豊かに湧き出ていたので、旦過寮には浴場があって、それを「旦過の湯」と言ったそうです。現在の「旦過の湯」の前身だといえます。古くから、下諏訪は旅する者たちの宿と憩いの場だったのですねえ。
春宮脇にある慈雲寺の石段参道に関する記事

■春宮と一体化した禅寺■

  白華山慈雲寺は臨済宗の禅寺です。
  古い歴史を持っていて、創建は鎌倉時代の1300年。当時、諏訪大社下社の最有力の神官で武士となっていた大祝金指満貞が春宮の鬼門を鎮護する寺院として開基したそうです。
  満貞はそのために鎌倉五山のひとつ、建長寺の住職であった一山一寧禅師を招聘しました。一山一寧は、日本に禅宗を広めるためにはるばる宋からやって来た高名な禅僧です。

  信濃でも最有力の武家が鎌倉から高僧を招いて開山したということで、大変に格式が高い禅寺なのです。そういうわけで、開山以来、名のある高僧が住職を務めてきました。

  山門は禅宗様式の楼門で、一階の左右には2体の仁王像を配し、二階には梵鐘が吊るされています。楼門と梵鐘はともに街の文化財となっています。


▲木漏れ日を浴びて幻想的な杉並木

山門の前にたたずむ

◆山門に続く杉並木◆

  旧中山道脇の大門口の石段が本来の慈雲寺の参道です。この石段を登り切ると、国道の向こう側に現在の慈雲寺の境内があります。
  杉木立が陽射しを遮るため、参道は薄暗くて幻想的な趣です。足元の石畳は苔に取り囲まれています。

  杉並木と山門の周囲には、なかなかに風趣に富んだ光景を見出すことができます。
  私が気に入ったのは、山門の東脇にある石仏群です。直角に折れ曲がった小さな石垣の上に、石仏が列柱のように並んでいます。石仏のなかには、十一面千手観音――慈雲寺の本尊――とわかるものもあります。


▲▼楼門左右の阿形と吽形


国道わきの緩やかな石段の先には薬医門

薬医門をくぐると、杉並木

陽射しを遮られた参道は苔に覆われている

左右に仁王像を配した楼門

仁王門から参道を振り返る

天桂の松越しに楼門を眺める

楼門の東脇には石仏の列

石仏のなかには十一面千手観音も

苔生す参道の脇にある石仏群。私はこの寺を訪れるたびに、この石仏群にしばらくの間、見入ってしまう。

下諏訪街あるき情報
  • 企画取材中

竜の口・大門口の石段参道

  • 旧中山道沿いの石段は慈雲寺の参道
  • 参道沿いのお堂や祠を訪ねる

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  • 最近再建された若宮社を訪ねる
  • 鎌倉街道を再現した遊歩道をたどる

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  • 諏訪湖北岸〜北東岸の地形変動を想像する
  • 断層崖と河岸段丘が複合した地形の謎を探る
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