◆拝殿と御柱◆
諏訪大社と神社は、「対の均衡」を大事にする神社だという気がします。上社と下社が対になり、上社では本宮と前宮、下社では春宮と秋宮が対をなします。そして拝殿が左右の片拝殿を連結する構造になっています。
このように上下左右の均衡を神社の建物の配置や造りになっているのです。拝殿について言えばその分、両者を統合する要としての幣拝殿の役割が重要になっているように思えます。
▲幣拝殿に祀られている円鏡
幣拝殿の一階の中央部には円い鏡が祀られています。配置と飾り方を見ると、きわめて重要なもののようです
上社には神宝としてまんまるの「真澄の鏡」が祀られているということなので、下社秋宮でも同じような神宝(展示用の模造)が祀られているのかもしれません。
幣拝殿の奥には左右一対の宝殿が並んでいます。茅葺屋根の両端には千木が載せられています。
撮影時の2015年12月には、向かって左が新しく、右が古いものでした。宝殿は神様(象徴としての神宝)が座す場所で、遷座祭のたびに新しい神殿をつくって遷座するようです。この遷座を祝う儀式が御柱祭りです。
御柱は4本あって、幣での前の左右に一対、拝殿を囲む杜の左右に一対が立てられています。
◆境内に祀られた摂社◆
秋宮の境内にも数多くの小さな神社が鎮座しています。ここでは秋宮が本社で、そのほかの神社は境内摂社または末社と呼ばれています。摂社とは本社の管理下にある下位の神社という意味だそうです。
日本の神社の多くでは、本社を専一的・排他的に祀るのではなく、そのほかの多くの神社を境内または境外近隣に祀っています。日本の神社は自然信仰と結びついていて、自然の森羅万象を敬うがゆえに八百万の神を祀るのでしょうか?
拝殿の手前左には、2連の社殿があって、ここには手前から順に鹿島社、子安社、加茂社、八坂社が置かれています。
拝殿右側には、手前から順に稲荷社、若宮社、皇大神宮社が配されています。
それぞれの摂末社にはこれまた複数の神様が祀られているので、鳥居の前も含めると全部でおそらく30以上にのぼると思われます。
▲大鳥居前の池の畔には千尋社がある
|