◆慈眼山源長寺◆
千国街道を南下し黒川沢の谷を越えて千国集落に近づくと、最初に出会うのが慈眼山源長寺です。街道沿いに境内にのぼる石段があります。
境内がある尾根高台の下、街道脇には宮の下石仏群と呼ばれる野仏が並んでいます。30体ほどあるでしょうか。
さて、石段参道をのぼると、重厚な造りの本堂、その隣に禅堂と思しき重厚なお堂が並んでいます。この寺は曹洞宗の禅寺ですが、何度も火災などの災害に遭遇したため、寺の由来や起源に関する記録が残されていません。
その昔は七堂伽藍を備えた大規模な寺院だったという言い伝えもあるとか。
信州各地、ことに北安曇では明治維新時の廃仏毀釈運動で数多くの仏教寺院が破壊されていますから、この寺もそのとき堂宇群を失ったのかもしれません。江戸時代には大勢の禅修行僧が集まっていたのかも逸れません。
▲本堂の向拝下の慈眼山の扁額
▲本堂の内部の様子
◆千国諏訪神社◆
源長寺を出て街道に戻り、さらに南に歩くと、小さな沢の先に社殿群が見えてきます。千国の諏訪神社です。
諏訪神社の境内は、北から続く尾根の裾野にあって、姫川を見おろす段丘台――ここに集落がある――に続く緩やかな斜面に位置しています。
▲境内は広い草原
▲大鳥居の奥に神楽殿
千国街道を南に歩くと、裏手から諏訪神社に近づくことになります。神社の鳥居は南にあって、境内を北に歩いて神楽殿、その奥に拝殿・本殿という配置になっています
街道は拝殿と本殿脇を東に回り込んで段丘崖沿いを通っているので、ここだけ険しい杣道風になっています。
諏訪神社の秋の例祭は「ささらすり祭り」として有名です。毎年9月中旬におこなわれる例祭では、ひょっとこ面を被り、崩れた着衣の「ささら師」たちが剽軽に舞い踊ります。
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