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長野県北安曇郡小谷村
古民家が集まる村落

  栂池高原スキー場の集落から――姫川沿いを往く――国道148号に下っていく道沿いに川内集落があります。そこには今でも茅葺古民家が残されています――ほとんどは金属板で茅葺屋根を覆っているのですが。私が2019年の取材時にに数えたときには6棟ありました。
  そのなかには無住で朽ちかけ始めているものもあります。


▲川内諏訪神社: 境内北側からの眺め

▲神社の下の古民家群


▲国指定の有形文化財として登録されている茅葺古民家

  左掲写真の古民家は、文化庁の登録有形文化財のデータベースによると、ロッジ欅旅館主屋となっています。この規模の茅葺屋根だと葺き替えなどの保存に2000万円以上はかかるので、個人が住居として保有するのは難しいでしょう。
  大正時代(1923年)の建築だそうです。もう1世紀近くの歴史を重ねているのです。

■神社を取り巻く小さな集落■


▲諏訪神社の拝殿(右)と本殿

  栂池高原スキー場の集落を抜けた県道433号が南西に折れるところを、直進して姫川の谷間――白馬大池――に降りていく道路沿いの小さな集落です。
  集落の中心にある神社が川内諏訪神社と呼ばれているので、川内という地区になるかと思います。急斜面にある合わせて10軒にも満たない小さな村ですが、そのうち茅葺古民家は6棟を数えます。


▲あたかも別荘のような古民家

▲ロッジ欅旅館

  そのうちの1棟は、国指定の登録文化財で、現在は宿泊施設として利用されているようです。
  そこから道を挟んで南側にある古民家も、あたかも別荘雨ででもあるかのような佇まいで、端正に整備された庭の樹々に囲まれています。
  そのほかの古民家は住民農家の住居として利用されてきたもののようですが、なかには現在は住人がいないのではないかと見られるものもあります。
  それにしても、この村では、千国番所近隣の集落といい、この集落といい、かなり高い比率で川葺き古民家が――現在は無住となっていても――保存されているなという印象を強くしました。集落あるいは住民個人の努力が偲ばれるところです。
  有志個人の次元では古民家再生プロジェクトがおこなわれているようですが、村としても政策的な手立てを取っているのでしょうか。古民家は貴重な文化財ですが、いったん壊されてしまえば、あとでどれほど費用をかけても再現できませんから、こういう地区は大変に貴重です。


川内諏訪神社の参道と鳥居

神社の拝殿

これも補修されている美しい古民家

現役農家の趣きがある古民家

街道の上の高台にある境内と堂宇

道路に妻側を向けた古民家

この古民家には住人の気配がなかった

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