▲民宿となっている古民家
▲その隣家の土蔵: 白壁が美しい
今回は「お堂様」を出発し、塩の道を南に「さのさかスキー場」手前まで足を伸ばし、そこから集落のなかを散策して国道を渡り、集落の東側の家並みを眺めて回ることにします。
塩の道(千国街道)は、「お堂様」脇の石仏群の脇を通って南に向かいます。路傍ではひと叢のススキの穂が晩秋の陽を浴びて輝いています。街道の西側は南北に延びる尾根で、その奥には遠見連山の東端の峰、天狗岳が控えています。尾根裾は緩やかな東向き斜面で、街道からはその斜面に民宿となっている古民家が見えます。
街道は、この先の佐野坂越えを見越して、尾根裾丘陵の一番上の段を通っているので、東側に開けた水田地帯や湿原を見おろすことができます。
やがて、小径の西側に明神社風の造りの小ぶりな寺院が見えてきました。小さな本堂だけで、そこまで山桜の並木の下に参道が続いています。参道脇の立札説明板によると「東徳寺」という由緒の古い寺院だそうです。
東徳寺については、別のページで特集することにします。
▲佐野の街道沿いの家並み
▲洋風山小屋のような民家も目立つ
▲塩の道はこの段丘の上を往く
さて、姫川を渡り「さのさかスキー場」の手前まで来たので、ここから引き返すことにしました。
すると、畑地のなかに草でおおわれた道があります。舗装していない農道のようで、片側が並木になっています。そして、道脇のカヤノキの根元に双体道祖神を見つけました。
ということは、別の場所からここに移したのでなければ、この道は今ではあまり人が通っている様子はありませんが、かつては人の往来が盛んな道だったということでしょうか。
▲この坂を下ると、姫川支流の沢に出る
▲坂道で振り返ると粋な風景だった
これまで通ったことがない道を選んで進むと、樹林や並木と古民家があいまって印象派が好みそうな農村の小径風景に出会うことができました。写真を撮りながら国道まで下り、国道を渡って集落の東側の家並みを観察することにしました。
こちらの方が民宿やロッジ、ペンションが多いようです。あるいは坂の上の地区よりも住民の年代が若くて、現役の宿泊施設がより多いということかもしれません。
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